サトリーマンのつぶやき。

悟りきれない悟り世代、23才。 バンクーバーで大学生をやっていましたが、本帰国しました。来春から不動産デベで就業開始予定。

20歳の大学生がカナダで孤独を知った話

”あなたは孤独を知っていますか?” 

今日は孤独について話します。

 

僕はカナダに来るまで孤独を味わったことがありませんでした。周りには常に家族や友達がいたし人に囲まれていることが普通でした。集団行動が苦手でグループで何かをするのもめんどくさい、グループラインもみんなどうでもいいこと話していて通知が煩わしい、親も色々小言を言ってきて鬱陶しいし姉との関係もお互いが思春期だったこともありそんなに良くありませんでした。一人の方が楽なのに、ってずっと思ってました。そんなボンボン(関西弁で坊ちゃん)の僕が一人で渡加したのは約三年前の19歳の時。学校が始まる1週間前ぐらいに来て初めの数日は色々バタバタしながらすぐ過ぎ去っていったのですが落ち着いてくるとだんだん一人で寂しくなってきました。

家族はもちろんいないし親戚も知り合いもいない、学校もまだ始まらないから一人で街の中を探検するぐらいしかすることが無く人と話すこともほとんどありませんでした。

あまりにも人と話さないから急に話しかけられとうまく言葉が出てこなかったりしたこともあったのを覚えています笑

 

人生初の孤独体験でした。

 

部屋を出るときに"行ってきます"という相手もいないし帰ってきたときに誰かが"おかえり"と言ってくれるわけでもない、そんな些細な気にもしていなかったことが恋しくなりました。

 

ある程度英語も話せるし学校始まればアメリカの時みたいにすぐ友達出来るやろうから大丈夫やろ、と思っていましたが甘かったです。結局最初の2セメスターはかなり孤独でした。留学生だけのカレッジにまずは入ったのですが日本人ほとんど居ないし英語得意じゃない人が多いので結局同じ国の人同士でみんな固まってそれぞれの言語を話し始めるので友達はできにくかったです。ご飯もほとんど一人で食べていましたし他のテーブルで生徒がガヤガヤと楽しそうに食べているのを見て"楽しそうでええな"なんて思っていました。日本の高校では群れるのが嫌いで出来るだけ大人数のグループを避けていた自分が今度はそれが恋しいんかい、隣の芝生は青いっちゅうやつやな、と思いました。そんなこんなで何とか片手で数えられるぐらいの友達は初めの学期に作ったのですが彼らも冬休みの間それぞれの国に帰ってしまいまた一人ぼっちになってしまいました。

 

その年の冬は30年ぶりぐらいの極寒の冬で雪がたくさん降りました。僕らのキャンパスは山上にあるため積雪量も多く外に出るのも下山するのもままならないので (雪が降りすぎてバスが山上まで上がって来れなくなってました) 僕は寮に引きこもっていました。

クリスマス前後は食堂も閉まってしまうので違うキッチンのある寮まで行って自炊するのが面倒だった僕はあんまりちゃんとしたものを食べていませんでした。

勉強嫌いの僕が学校を恋しく思い出したあたり、相当きていたのだと思います。

そして迎えたクリスマス。

日本では恋人がいないクリスマスを"クリぼっち"などと言いますが僕は文字通り独りだったので、”なるほど、これがクリぼっちか、破壊力やべえな”などと思っていました。

今までクリスマスは友達とだったり家族と美味しいものを食べる行事だったのにその年は寮の狭い部屋で一人でシリアルをかじることになり孤独の味を文字通り噛みしめることになりました。

 

そんこんなでその後は友達も出来てワイワイやってきているのですが今でもたまに特に理由もなく孤独感を感じることはあります。友達だって仲間だっているし数時間前まで誰かと爆笑していたのにふと一人になったときに、"あ、俺今独りや"って感じます。別にそれが辛かったり悲しっかたりするわけではなく(少ししているかも)ただ自分が今独りであることを認識する、といった感じでしょうか。僕にも孤独に対する免疫がある程度は出来たはずなのに。

 

まだまだ学ぶことは多いようです。

 

僕が自分なりの孤独を知ったことから学んだ/得たこと

  1. 人間いくら強がっても独りでは生きていけない
  2. 自分にとって大事な人を大事にすることは大事
  3. 当たり前は当たり前ではないという気づき
  4. 自分、人間の脆さと弱さ
  5. 自分自身へのより深い理解
  6. 一人になることは独りであることと同義ではない

 

1. 人間いくら強がっても独りでは生きていけない

今でも一人/少人数の方が楽、というスタンスは変わっていません。でも生まれて初めて独りになった時に孤独の重さを学びやはり人間は社会の中でしか生きていけない生き物だと身をもって学びました。

 

2.  自分にとって大事な人を大事にすることは大事

3. 当たり前は当たり前ではないという気づき

思春期の中高生にとって親ほどうっとうしい存在はいないでしょう。やれこれしあれしろとガミガミ言われると余計言うことを聞きたくなくなり、みたいなこともよくありますよね。僕もさっさと自立してこの家を出て行きたいなんて一人では生きていけないくせに生意気なことを思っていました笑。でも海外で一人暮らしを始めてからは家族の大事さや親のありがたみが痛いほど身に染みました。洗濯、自炊、掃除を自分でするのはもちろんのこと、早く寝なさいと言われない代わりに学校に遅れないように叩き起こしてもらえることもありません。親は偉大です。また異国の地で共に頑張れる世界中のあちこちから来た仲間の大切さも学びました。僕が今もこうしてカナダで頑張っていられるのは日本にいる家族とカナダ、そして世界中からの仲間のおかげなのでご縁を大事に生きていきたいです。

 

4. 自分、人間の脆さと弱さ

5. 自分自身へのより深い理解

アメリカでの交換留学中も一切ホームシックにならなかったし自分は割と適応能力も高く肝っ玉も太い方だと思っていましたが今思い返せばそれはアメリカのホストファミリーが英語もそんなに上手くなかった僕に優しく接してくれていたからなんだなと痛感しました。アメリカでも上手くやれたからカナダでも大丈夫!と思っていましたが一人で生きることの大変さを突き付けられました。その過程を経て自分自身の強さも弱さも再確認出来たし自分だって独りではこんなに脆いんだから人にも優しく生きていこうと思いました。

 

6. 一人になることは独りであることと同義ではない

一度孤独を知ってしまった僕はもうあんな思いをしたくないと出来るだけ休日も予定を入れ一人でいる時間がないようにしていた時期もありました。独りになるのが怖くて同じようなことをしている人、一人で時間を過ごしている自分を悲しい惨めなやつだと思ってしまっている人も中にはいるかもしれません。ではそうして常に人に囲まれていることが幸せなことなのでしょうか? ひたすらインスタグラムのストーリーズで誰かと遊んだりしているのをアピールすることが満たされることなのでしょうか? 一人ではないはずなのに独りになっていませんか? 日本人だけに限らず僕らの世代は孤独に対する恐怖感がとても強いように思います。

僕の中の定義では"一人"は自分の意思で選択したもの、能動的なものであり、"独り"は自分が望まずにそうなっているもの、受動的なもの、です。

自分が独りであると感じるならば手を打つ必要がありますが、もし"一人"でいることを"独り"でいることと勘違いしてしまっているならあなたは自分のことを苦しめてしまっているかもしれません。あなたが選んで一人でいるならそれを孤独と混合すべきではないし一人でいる自分を悪く思う必要もありません。

なぜならそれはあなたの意思決定の産物であるから。自分の弱い部分に流されるがままに人に囲まれ続けて摩耗してしまうぐらいなら一人でいられる強さ、そして一人でいていいという自分自身への理解を得ることの方が尊いです。

一人で時間を過ごすことで学べることも多いですし、一人で時間を過ごすことで仲間や大切な人と過ごす時間がより充実したものになると思います。

 

でもそうやって一人の時間を作ってもふとインスタなどで誰かが誰かと遊んだりしているのを見ると"ええな"なんて思うこともあると思います。僕ももちろんありますしそれはそれで良いと思います。「一人もええけどやっぱ友達もええよな、またあいつと遊ぼ」なんて思ってまた自分の一人の時間に戻ればいいんです。

あんまりいつもいつも自分に厳しくしすぎずに時に優しく見守ってあげましょう。

 

最後に

日本人は元々農耕民族であること+小さい時から学校でも給食の配膳、掃除当番などを通して集団行動をすることを叩き込まれているので個人主義の欧米諸国と比べるとどうしても一人でいることに抵抗を感じるのが自然だと思います。日本の量産型大学生などが典型的な例でしょう。はみ出したくない、みんなと同じがいい、うまいこと溶け込まなくちゃ、と自分を殺してでも独りにはなりたくない、という考えの日本人が多いように感じます。

僕が海外で初めて独りになって学んだことは沢山あったし、孤独を知ることで一人でもいいんだということを身をもって理解できました。

恵まれた環境にいる自分が"孤独"という重めのテーマについて書くことの是非は考えたのですが今海外の大学生の間でも"孤独"が問題になっていることを論文のリサーチ中に知り自分のことについても書いてみようと思いました。

この記事が読者の皆さんが"一人"と"独り"について考えるキッカケになれたならば本望です。

 

-留学生の皆さんへ-

もしあなたが異国の地で独りで辛いなら学校で友達や一緒に時間を過ごせる仲間を作る努力をするのも手ですしカウンセラーなど誰かの助けを借りるという手もあります。もしあなたが僕のような留学生で孤独で辛いけどどうしたらいいか分からない場合は学校にいるスタッフやカウンセラーと話をするのもいいでしょう。日本ではカウンセラーというと精神病を患っている方用のもの、という間違った解釈がまだあるような感じがしますが海外ではもっと気軽に行けるものです。勇気がいるかもしれませんが是非活用してみて下さい。その他には筋トレ、ヨガ、瞑想などもオススメです。

孤独感を感じることは悪いことなんかではないし、僕も含めた多くの留学生が経験することだと思います。まずは自分を追い込みすぎず受け入れてあげるところから始めてみて下さい。You are worth more than you thinkです!

 

 

-おまけ-

僕の好きなlogicというラッパーが孤独やsocial anxiety に悩む人に向けて書いた曲です。

英語×早口なので和訳と共に一度聴いてみて下さい。

www.youtube.com