サトリーマンのつぶやき。

悟りきれない悟り世代、23才。 バンクーバーで大学生をやっていましたが、本帰国しました。来春から不動産デベで就業開始予定。

ボスキャリ2019:俺、スーツのズボン破いたってよ

ボスキャリ2019、初参戦してきました。

サンフランシスコでConnect jobさんのジョブフェアに行ったのが最初だったので、人生2回目のジョブフェアでした。

 

先に結果をお伝えすると、

内定:某財閥系銀行

選考が進んだところ:某総合商社、某不動産デベロッパ

サイレントお祈り:某不動産デベロッパ

 

サイレントお祈り(合否の連絡がないまま落とされること)されたところは、僕も含めて他の二強のデベロッパー受けている人はだいたい落ちていました。。という言い訳。

まあいいや。

 

僕はサンフランシスコで、メディア系の会社から内定頂いていたのと、数社選考が進んでいるところがあったのでボストンではwalk-inなどはせずに、絞り込んだ4社だけ受けました。

また第一志望の不動産デベはもうサンフランシスコで二次面接まで受けていたので、正直ボスキャリにに対するモチベは高くなかったのですが、そこの海外採用人数は超少数なので他のところも受けておこうと思って行きました。

 

ちなみに今冬、一時帰国時にその会社の最終面接を東京で受けて内定を頂き、そこに就職することにしました。

 

僕のスペックですが、

1. カナダの大学に正規留学中の四年生

2. 純ジャパ(生まれも育ちも日本)

3. 高校は国内の進学校

4. ボスキャリでスーツのズボンを破いた唯一のレジェンド(多分)

てな感じです。

 

 

それでは僕の体験談をどうぞ!

 

目次

 

0日目 (木曜):そして戦いは始まった

「ボスキャリは実質、金と土の二日である」というのはあんまり正しくありません。

 

僕の場合は木曜から、デベの説明会 → そのまま一次面接 → 銀行の二次面接 → サンフラで内定貰った会社のディナー、と結構詰まってました。

 

事前応募とかするガチ勢は、必ず水曜日の夜には着いておきましょう!

 

ボスキャリが始まる前日の木曜日から事前通過者を対象に、別の会場で説明会や選考会が始まっている場合が多いです。特にそこらへんの人気企業はWalk-in受け付けていない or 一応受け付けているけど、基本的には面接組んで貰えない場合が多いので、一流企業を受けたい人はしっかり事前応募しておいた方が絶対いいです。

 

業界分析もロクにせず、当日walk inで適当にレジュメばら撒いて、どっかから内定もらえればいいやというのは、甘すぎます。数年前に比べたら、ボスキャリの知名度もかなり上がり、来る生徒の数もかなり増えました。

数年前に書かれたブログの情報はあまりあてにしないほうが賢明です。

 

あと会場から歩ける距離に泊まっている人でも、しっかりどうやって行くのか確認して、余裕を持って行動しましょう。

 

僕はGoogle map様の言うことを聞かず、「こっちの方が近そうや。」と変な道に入っていって引き戻る羽目になり、銀行の面接に10分ぐらい遅れました。皆さんは慣れない土地では大人しくGoogle様の言うことを聞きましょう笑

 

ちなみに面接に遅れていった時でも、慌てず落ち着いて堂々と参上しましょう。ここで汗だくでゼーゼーいいながら駆け込んでくるような生徒を企業は取りたくないと思います。焦る気持ちは分かりますが、いくら焦っても遅れている事実は変わりません。落ち着いた様子で真摯に「遅れてすみません。」と言えば大抵問題ないはずです。

でも遅れて行くのはやはり失礼なので余裕を持って行動しましょう。

 

デベの一次、銀行の二次の結果はディナーに行くときのUber待っているときにちょうど電話かかってきて、次の日に面接を組んで貰いました。

 

ここで一つ注意!

正規留学生でアメリカやカナダからくる生徒は携帯のカレンダーに入れた面接の時間をしっかり再チェックしましょう!

 

僕はバンクーバーから来たので時差が三時間だったのですが、バンクーバーにいた時にiPhoneのカレンダーに入れた面接のスケジュールもそれで時差に合わせて勝手に調節されていました。

 

それに気づかず面接をトリプルブッキングしてしまい、後から再調整してもらわなければいけませんでした。

そんなアホなこと誰がすんねん、と言われればそれまでなのですが僕の他にも同じことをして会場を走っている人がいたので皆さんも気を付けて下さい。

 

さて、ボスキャリ名物のディナー。

てっきり内定者ディナーかと思いきや、そういう訳でもなかったことを終わってから知るという鈍さ。。

 

ちなみにディナーは高級なシーフードレストランの地下の一室を借りて下さっていて、高級ワイン+フルコースを堪能しました。普段水しか飲んでいない僕が高級ワインの味の素晴らしさなど分かるはずもなく、とりあえず美味しかったことだけは覚えていますw

頑張ったら美味しいものにありつけるので皆さんもディナー獲得、頑張って下さい! 

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ロブスターは意外と食べるところがあんまりないことに気づく22才

ちなみに少人数のディナーの場合は、座る場所があらかじめ決まっている場合が多くて、偉い人の近くに座れる生徒は内定貰ってる or いい感じと思われてる可能性が高いです。逆に座る席が自由な場合は、顔見知りの面接官か、何と無く上の方の役職っぽい人の近くに座れるといいかもしれないです。

 

せっかくの機会なのでお料理を楽しみつつ、しっかり社員さんとのコミュニケーションも図りましょう。普段はOB、OG訪問でもしないと会えないはずなので貴重な機会ですよ。

 

あと選考中のディナーであれば、出来るだけアピールしたくなる気持ちは分かりますが、一人だけ延々と話し続けるのはやめましょう。特に5人以下の少人数の席でそれをやると周りの人も話せなくなり最悪です。協調性が無いと見られても仕方ないでしょう。

 

基本は相手の話を聞きながら、少し自分の話も交える、ぐらいで丁度いいと思います。

 

1日目 (金曜日):正念場。

金曜日は、前日に選考を進めた銀行(三次)、デベ(二次)、の他に、違うデベ(一次)、商社(二次)があったのでこの日が一番キツかったです。他にも事前応募したところがありましたが、そんなに志望度が高くなかったので、他の面接に集中するためにサイレント辞退しました。

 

1日に何社も詰め込んでしまう人がいますが、出来るだけ止めといた方がいいと思います。恐らくマックスで4社ぐらい。

 

面接って自分が思っているより疲れるし、志望度が高いところにフレッシュな状態で臨のが一番ベストだと思います。特にケース面接等で脳みそをフル回転させた後に、他の面接がすぐあったりしたらかなりキツイです。

 

ちなみに某総合商社の二次面接はケースだということを、情弱の僕は知らずに何の準備もせずに突撃。

カーテンを開けた瞬間、視界に入ってくるペンと紙。

「しもた。」

 

しかし時すでに遅し。

簡単な自己紹介のあとに、すぐにケース開始。

問題を読み上げられたあと、3分で考えて、3分でプレゼン。そこから20分ほど二人の面接官から質問と掘り下げの嵐。

 

もはや何を喋ったかあんまり覚えていないけれど、とりあえず面接官二人は納得してくれた模様。

中学受験の時以来、約5年ぶりに脳をフル回転させた30分間でした。

 

自分が受けたい会社の面接受けたことがある先輩がいたら、ちゃんと話を聞いておいたら僕のような目に合わずに済みます。ちなみに僕の大学は日本人少なくて、その商社を受けた人はどの道いませんでした。

 

そのあとはデベの二次面接。

ボストンでは、それが最終なので割と偉い感じの人が登場。

メモを取るのがパソコンでは無く手書きのため、すごく遅いし謎の間が生まれる。

 

「紙にメモする間、沈黙が生まれるけど気にしないでね。」

「いや、そりゃするわ!」

 

正直こんな上司の下で働きたくないな、と思ってブースを去りました。

 

面接は企業が学生を見る場であると共に、僕たち学生が企業を見る場でもあります。正規留学生はOB訪問する機会もあんまりないと思うので面接でもディナーでもしっかり社員さん達のことを観察して自分がこの人たちと上手く働いていけそうか見ておきましょう。

 

そのあとはもう一社のデベの一次面接。

15分だけだったし、サイレントされたし省略。

 

そのあとは銀行の三次面接。

三次面接が終わったあと、その場で「次の選考に進んで欲しい」と言われたので別室で待機。財閥系銀行は面接が多いのが特徴で、多い人は10回ぐらい面接があったそうな。

 

そんな訳でポヨンとしていたら、まさかのこの四次面接が最終面接だと知らされる俺氏。「まあいつも通りやれば大丈夫や」と言い聞かせ、包み隠さず本音トークをして感触もかなり良い。

「合格の場合のみ午後7時までにお電話差し上げます」と言われた後で、「後で連絡するね」と帰り際に言われガッツポーズ。

 

そうしてルンルン気分で商社のディナーに参加。

「あー、いつ電話くるかな。社員さんと話してる時に電話来たら気まずいな」と呑気に考えながら数時間が経過。

そして時計の針は7時を超える。

 

電話がこない...!

 

いつ着信がくるかとソワソワするものの待つ以外に術なし。

これはボスキャリに参加する人の多くが味わうものです。

覚悟しときましょう。

 

「いや、おかしい。あんなけ好感触やって連絡するね、まで言われて落ちているはずがない。でも電話は来ない。。これはおかしい。」

結局その夜はずっと電話が来ずに意気消沈。

他社はボストンでは内定を貰えないことが分かっていたので尚更辛い。

 

「ああ、これでボストンでは内定0か」

 

サンフラで貰った内定の返事は、ボスキャリが終わったらすぐにしなければならなかったので、何とかボストンで内定が欲しかった。

 

午後10時を過ぎる。やっぱり電話は来ない。

それでも絶対受かっているという確信は消えない。

 

「よし、明日の朝に乗り込みに行こう」

 

元気がないと戦はできぬ。

そして僕はさっさとベットに入り、翌日の戦に備えることにした。

 

2日目 (土曜日):想いは届き、パンツは破れる

いわゆるボスキャリ実質最終日。

ここが山場、生徒たちもやや殺気立っている。

 

その中、既に全ての面接を終えている僕は静かにネクタイを固く締め、気合いを入れて会場入りする。もちろんWalk-inをする気などサラサラ無い。

我が標的はただ一つ。

 

しかし、心の迷いは消し去れない。

電話が来たら合格。来なかったら不合格。

小学生でも分かる条件を俺は無視して、これから俺は財閥系銀行のブースに押しかけようとしている。正気の沙汰ではない。

 

しかし、ここでモヤモヤとしたまま引き下がる訳にはいかない。

不合格ならそれはそれで踏ん切りがつくではないか。

その時はお礼を行って潔く立ち去ろう。

 

「おはようございます。昨日最終面接を受けた者で結果の確認をさせて頂きたく参りました。」

 

動揺を隠せない受付の社員さん。

「少々あちらでお待ちください。」

 

案内されたのは壁際のベンチ。

もう面接に来たわけでは無いので、待合室には入れて貰えない。

急に蚊帳の外に閉め出せれたようで少し悲しい。

 

ややびっくりした表情で部屋の中に入っていく社員さん。

ざわめく室内。

「おい、昨日のあいつ乗り込んで来たで。どないする?」などという会話が繰り広げられていたのかもしれない。Who knows.

 

待つこと数分、上の社員さんが出てきてくれた。

「昨日は電話出来ず申し訳ありませんでした。実は迷っておりましたが、合格を差し上げます。今晩のディナーにも是非ご参加下さい。」

ここでは会話の全文は書けないが、僕の卒業予定のタイミングが今年採用か来年採用か微妙だったようだ。

 

「まじか。」

 

そもそも僕の専攻はビジネスでもファイナンスでも無く、コミュニケーションというよく分からない分野だ。

スカウトを貰うまで銀行を受ける気はなかったし、そのこともちゃんと伝えた。

別に大学もレベルが高いところでは無いし、「御社が第一志望です!!」などと大ボラこいたわけでも無い。

しかし、受かった。

 

自分から押しかけときながら、まさかの展開にびっくりしてしまった。

 

「承知しました。それでは今晩伺います。」

そして僕は少し他の社員さん達と話したあと、興奮冷めぬままブースを去った。

 

さあ、二日目の午前中にして既に全ての面接を終えて暇になった。

ここで自分のエアビーに帰るのも勿体無いし観光でもしよう、ということで他にも時間があった日本人達とボストン観光へ。

同じ北米でもやっぱりカナダとアメリカは違っていて、高校の頃少しいたミシガンのことを思い出しました。

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ボストンのダウンタウン

 

この後会場に戻って、銀行の方々と合流してレストランに行きました。

ちなみにここのディナーが一番美味しかったです。

 

社員さん達の話によると、ここら辺の良いレストランはボスキャリにくる企業が沢山くるから、一年前から予約をとったりしないと抑えられないんだとか。

 

その日のディナーに呼ばれたのは僕も入れた三人で、社員と学生が約2:1という珍しい感じでした。ちなみに内定出る前のディナーは比較的生徒の人数が多く、内定が出た後だとかなり少人数になります。

 

コース料理を堪能した後、社員さん達が泊まっているホテルまでタクシーで送ってもらったのですが、その時お尻に何か引っかかる感じが。

特に気にせず、ホテルについた後、他の生徒さんと自分達の宿泊先に帰るためのUberを待っていました。

 

そしてUberが来て、お礼を言って車に乗り込んだ後、窓の外を見たら社員さん達が何やらドギマギしている様子。車に乗る時に女の子の生徒さんの為にドアを開けてあげたのを見てびっくりしはってると勝手に勘違いし、「これが北米仕込みのレディーファーストやで。」などとみみっちいことを考えていました。

 

しかし、

自分のエアビーに着いた時、なんかお尻がスースーするなと思ってズボンを触ったらなぜか自分の太ももに触れる...

おかしいなと思って見てみたらスーツのズボンが上から股の方まで破れていました。

 

もともとこのスーツは一年生の時に買ったものでしたが、筋トレと格闘技のおかげで体がゴツくなった僕は二度仕立て直しをお願いしていました。それで生地にゆとりがなく、車高が低めのタクシーに乗った時に引き裂いてしまったようです。

 

まあ、最終日でラッキーだったなと言うことでちゃんちゃん。

 

3日目 (日曜日):社員訪問と観光

三日目も、もちろん面接等はないのですが、サンフランシスコで受けた会社の駐在員さんが会って下さると言うことでハーバードに行ってきました。

 

ちなみにここの会社から内定を頂き、就職することにしました。

ボスキャリ以前に違う場所で就活をする留学生は、選考が進んでいる会社でボスキャリにこないところには積極的にボスキャリに行く事を伝えてもいいかもしれません。

 

大きい会社であれば大抵ライバル会社に貴重な人材を取られたくないと思うものなので、ボストンで選考がなくてもディナーに誘って頂いたり、現地の駐在員さんを紹介して頂けたりします。

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その場にいるだけで偏差値が50ぐらい上がった気がする

 駐在員さんは物腰の柔らかい方で、さらにハーバードのMBAも取得し現地の不動産投資会社で働いっていらっしゃる超キレもの。やっぱりトップの会社で働いている方は違うな、こういうところで働きたいなと改めて思いました。

 

そして午後にはバンクーバーに戻る為に空港へ。

天候の関係でバンクーバーには予定より一日遅く着きましたが、無事に帰れました。

 

最後に

この記事の読者さんの中には国内生の方も、交換留学生の方も、正規留学生の方もいると思います。自分のバックグラウンドに合わせて、就活のやり方も、ボスキャリへの臨み方も異なってくると思います。

 

ただ共通して言えるのは、ボスキャリは数日で内定が貰える幻のラッキーイベントではありません。どこの企業でも間違いなく正規留学生は優遇されるし、英語力のみを武器にして乗り込んでもどうにもならないと思います。

 

企業側もボストンまで高いお金を出して、国内で採用できるような人材はとりません。

人気の有名企業ならば英語は話せて当たり前、それプラス何が出来るの?という世界です。

 

僕個人の経験なので参考程度にして欲しいのですが、ボスキャリでいわゆる就職偏差値トップの方の企業から内定をもらえた国内大学出身の人は本当に一握りしか知りません。そんな彼らも子供の頃に海外に住んでいた、交換留学をしていた+特別光る何かがあったなどいわゆる特別な人材でした。

 

ボスキャリは誰でも来れることになっていますが、行ってちゃんと戦える生徒は全体の3割もいない気がします。高いお金を払ってボストンまで来て残念な結果に終わってしまうなら、国内選考で自分の行きたい会社をしっかり目指す方が勝率も上がるはずです。

 

また正規留学生でも、準備を全くしていない or 留学経験以外に光るものが無い場合は、交換留学中の優秀な国内大学生達にバンバン席を取られます。彼らの方が就活に対する情報を持っているし、しっかり準備している印象があります。

 

まずは本当に自分はボスキャリに行く必要があるのか、行ってモンスター人材達と対等に戦えるのか、を考えて決めてみて下さい。

 

それでは2020のボスキャリに参加される皆さん、頑張って下さい!