僕のネットいじめ経験談とAIにとって変わられる人間達について (前編)
皆さんの多くもご存知のように、テラスハウスの木村花さんが亡くなりました。
原因はインターネット上の誹謗中傷だったそうです。
僕自身は帰国後、忙しくてあまりテラハは見ていなかったのですが、花さんがいた時は見ていたので驚きました。
ご冥福をお祈りします。
今回は花さんのような著名人がお亡くなりになったので、大事になりましたが、一般人でもインターネット上でのいじめに苦しんでいる方は大勢いると思います。
僕が日本の高校にいた時も、周りでインターネット環境を利用したイジメがありましたし、僕自身が被害者になったこともありました。また知らず知らずのうちに加害者になっていたこともあったかもしれません。
重い話題ではありますが、今回は僕の実体験を中心にオンラインいじめについて書いていきます。
ネットいじめとは?
ネットいじめとはインターネット上で誹謗中傷を書き込み、対象者を攻撃するものです。昨今ではSNS上のコメントやメッセージ機能を利用したものが、一般的です。
人格を否定するものから、偽の情報流布による信用墜落を狙うものまで様々です。
一般的ないじめとの違い
一般的ないじめを、現実世界で行われるものと定義するならば、具体例としては村八分や集団リンチなどがあります。パワハラ、モラハラ、仲間外れなども当てはまるでしょう。
これらとネットいじめの大きな違いは二つあります。
一つ目は、攻撃してくる相手が誰か分からない場合が多いこと。
言うなれば目隠しされた状態で、どこからともなくパンチが飛んでくるのです。
敵が分かっていれば、訴える、正面から潰すなど対処法もありますが、相手が分からなければどうしようもありません。
これが一番怖いところです。
二つ目は攻撃者の数が増えやすいということです。
リアルのいじめならば、攻撃対象者の数にも限度がありますが、オンラインだと無限に増えていきます。
数が少なければいいというものでは決してありませんが、やはり多いよりはマシな場合が多いことも確かでしょう。
いじめに良いも悪いもありませんが、いじめの中でもその匿名性、攻撃性からネットいじめが最も陰湿で凶悪だと僕は考えます。
ネットいじめが起きるメカニズム
ネットいじめは世界的な問題になってきています。
30ヵ国で行われた調査によると、若者の三人に一人がネットいじめの被害者になったことがあるそうです。
国によって共通する理由も、その国ならではの理由もあると思います。
それでは日本でネットいじめが起きる要因とはどのようなものなのでしょうか?
一番の理由は、日本社会の同調圧力が非常に強いことです。
生徒達は、小さい頃から学校で集団行動を給食や掃除当番などを通して学び、皆と同じように行動することを叩きこまれる。なので異端な存在、自分達と違う存在は許せなくなり、見つけしだい徹底的に叩く。
これは日本が農耕民族であったことも関係します。
農作物を作るには、狩猟民族的なやり方とは違い、常に集団で行動を共にする必要があります。それをできない者はコミュニティに害を及ぼすものとして、村八分などの方法によって徹底的に排除されてきました。個人のアイデンティティなどというものは必要なかったのです。
その名残が自粛警察などにも現れています。
これに加えて、日本では「こうあるべき」という人生の道筋のバリエーションが少なすぎます。
出来れば私立や国立の幼稚園、小学校に行かせて、その次は中高一貫の進学校。そこから目指すは東大や京大、そして医学部。しばらく遊んだらみんなと同じリクルートスーツを着て、就活という壮大な騙し合い、蹴落とし合いゲームに参戦。進学先、就職先によって順当に勝ち組、負け組に振り分けられていく。
私立の方が公立より良いとかいった低次元な話ではありません。
ただ手元に十分なお金がある場合、上記のような人生を子供に歩ませたいと考える親は多いはずです。
こういった環境で、多くの生徒は受験のプレッシャーに晒されてやりたくもない世の中に出た時にあまり役に立たない受験勉強に明け暮れ、大人になっても日々やりたくもない仕事をする日々。
そんなストレスを抱えまくった若者や大人達が、ネットいじめという無リスクの集団リンチに興じるのも不思議ではないでしょう。
海外には日本より貧富の差が大きい国などもたくさんあり、一概にどちらが良いとも言えませんが、少なくとも生き方のバリエーションは多いと感じました。
大学にいくもよし、軍隊にいくもよし、農家になるもよし。
社会が嫌になればヒッピーにでもなって放浪の旅に出れば良いみたいな風潮もあります。
今回のパンデミックでもある国では「パーティーするためには、コロナになっても構わない!」と若者達がビーチに押し寄せて、翌週には本当に感染して病院送りになったりしています笑
こういうのは日本では起こりえません笑
このように個人主義、全体主義の是非を問うことは難しいですが、これらの違いがネットいじめの苛烈さに影響を与えているとも僕は考えます。
僕のネットいじめ経験談
僕は中高一貫校に通っていたのですが、そこでネットいじめを受けたことがあります。
ちなみに僕は幼稚園、小学校、高校とほぼ全てのライフステージで何かしらの形でちょくちょくいじめられてきた経験があるという準エリートいじめられっ子ですw
太々しいかつ他人の目をあまり気にせず自分のしたいことをするのが日本人の目に障るのでしょう。しかもいじめられても徹底抗戦するか、不登校することで関わりをもたないようにしてきたので余計に憎たらしかったと思います。
僕は親に恵まれているので、僕が戦っている時はいつも背中を守ってくれたし、「学校いきたないねん」と言えば「じゃあ家で勉強しとき」と懐深く支えてくれました。
それもあって、自分で言うのもあれですがそこそこ素直で明るい人間に育ちました。海外の友達は僕がいじめられてきたことなど、思いもつかないと思います。
話を戻して、僕が受けたネットいじめについてです。
何年も前なので詳しくは覚えていないのですが、同級生の仲が良かったやつと些細なことで揉めて、さらに僕がそいつらの知り合いのべっぴんさんと仲良くしてたこともあり、色々こじれてしまいました。
ありもしない噂をネット上で立てられたり、その女の子の写真や電話番号をネット上でばら撒かれたり、挙句の果てには他校の先輩に僕のなりすましアカウントから挑発的なメッセージを送られたりもしました。
僕自身への個人的な攻撃ならば良いのですが、周りにも迷惑を欠けてしまい、自分の手には負えないと感じたので学校側に介入してもらいました。最終的に、主犯者数人を突き止めて、彼らと保護者を学校に呼び出してケジメをつけさせました。
僕の方にも非はあったのだろうし、人間なんて時間が経てば自分の都合のいいようにしか記憶を残さないものです。なので自分だけが被害者面するつもりはありませんが、それでも彼らがしたことを卑劣かつ非人道的だったことは事実です。
今では昔の記憶ですが、当時はかなり精神的にこたえましたし、そのあと何年もその時の記憶に苦しめられました。
実際に受けて感じたこと
敵が誰か分からないという恐怖
やはり敵が誰か分からないというのが一番怖かったです。
学校では誰も殴りかかってきたりしないのに、オンラインではボコボコにされるのです。はじめの方はリアルで何も起きなかった分、より不気味でした。
夜、暗がりの中でケータイを開ける手が震えたことは今でも覚えています。
取り巻きという第二の加害者達
そんなこんなで僕達が抗争している時に、周りで騒ぎ立てる野次馬達も相当うっとおしかったです。他人の喧嘩なんか放っておけばいいのに「祭りだー!」などと騒ぎ立てて喜んでました。
男子校で女子もおらず、勉強のストレスも凄まじかったので仕方なかったのかもしれませんね。
著名人に批判的なコメントを送りつける輩はどうしようもないクズですが、それを喜んでシェアしたりする個人やメディアにも罪はあると考えます。
傍観者という冷徹な壁
この傍観者という存在も被害者にとっては辛い存在です。
攻撃してくるわけでも、味方をしてくれるわけでもない。
もちろん彼らは争いに首を突っ込まないという正しい行動をしているのですが、彼らの目というものも何故か冷たく感じられて嫌でした。
後編へ
後編では僕がこの経験から学んだこと、ネットいじめを無くす方法、AIにとって変わられる人間とそうならない人間の違いについて書いていきます。
それでは後編でお会いましょう!